
「漆喰の壁と無垢材の床」が舞台なら、「建具や家具」は大道具。
しっかりアクセントを効かせつつ、実用性も抜かりなく。思いっきり趣味に走って、家に個性を出すのも、この大道具の役割なのです。
そう思って、リクシルやらパナソニックやら住宅設備のショールームを見ても、正直ちっとも心動くものに出会えず。
たくさんのドアから探して、これが限界。うーーん。これ毎日見て暮らすのかぁ(°_°)
何かもっとこう、グッとくるドアないのかなぁ。


実は我が家は以前マンションリノベしたことがあり、その時の施工会社が素晴らしく、「イメージに合わせて、基本、建具はオーダーで作る」というものでした。
今回もドアを別注したい。。でも予算大丈夫?
膨らむ不安と迫る工期。
設計会社に最大限待ってもらって、ネット検索する日々。
(余談ですが、結局長い間住むのは私たちですし、私たちの財産になるので、施工会社に気を遣いすぎて納得いかないものを作る必要はないと考えてました。もちろん現実的な折り合いは忘れず、迷惑かけてはいけないのですが、許される範囲で目いっぱい、諦めず、できるだけの理想を実現する、というのが、後悔のない家づくりに大切な姿勢かと。優しい夫はちょっと引いてましたが、仕事に妥協しない私は常に強気でした笑)
すると僥倖が!
床の無垢材を見に行ったナガイさんで、オーダードアを作ることができるとのこと!
ショールームで見た私たちは、「これを家にお迎えしたい!」と一瞬で心掴まれました。

なんて素敵な!
リビングと玄関を仕切るドアは、家の中の顔とも言っていい重要パーツ。
こういうガラスが入っていると、リビングの雰囲気や明かりが玄関から見え、ほどよく揺らいでるので見えすぎない。
これがいいんです。
塗装は何色を選んでもお値段変わらないので、大いに悩めます。
黒にするか濃い緑にするか赤にするか。
大手ハウスメーカーのような「3Dシミュレーション」なんてないので、必死で施工例見ながら妄想します。
派手かな、、、と思ったんですが、どうしても夫婦で気に入ってしまった赤に決定。
ガラスは、この写真とは違う気泡入りのガラスの感じが気に入って、そちらをチョイス。
さらにリビングに面する、洗面所との仕切りドアと、冷蔵庫横の小さなパントリーの扉も、ナガイさんでドアを作ることにしました。
洗面所のドアには、人がいるかどうか、電気の消し忘れはないかどうか確認するためにも、ガラスの小窓を付けたくて、ステンドグラスにしました。
目指せ、実用性と美しさの両立です。

そしてパントリーの扉は、開け閉めのための空間がコンパクトに済む両開きにして、中の食品や食器のために通気性を確保する、ルーバータイプにしました。
カラーについては、洗面所のドアとパントリーの扉は接近してるので、パントリーの扉は壁と同じ白に決定。
洗面所のドアはアクセントになりつつ、リビングドアを主役の赤にしたので、脇役の意味でアンティークっぽい茶色に。

細かいですが、取っ手の色も統一が大切で、ドアは真鍮のような金色にしました。シルバーより温かい印象が出るからです。
見積金額は、ドア3枚で標準仕様に比べて、プラス16万円でした。
ここは投資すべきと判断してたので、OKです。
その他、開きの方向を確認したり、鍵の有無など考えて、発注です!
図面を見ながら、ドアの開き(右開き?左開き?)を確認確認。
写真を見てもらえると分かるのですが、洗面所のドアは、リビング側に引いて開けるので、パントリーのドアと干渉します。
もしパントリーのドアを開けてて、洗面所から人が出てきたら、ドアがぶつかるんです。
そう考えて、洗面所のドアを引戸にしようと思っていたのですが、そうすると洗濯機の水栓が邪魔になり、無理なことが発覚(°_°)
結局、「開ける時に声をかけて気をつける」「パントリーのドアは開けっ放しにしない」という運用で乗り切ることにしました。
実際に3年暮らしてみて、今のところぶつかったことはないので、これで良かったんだと思います。
最優先の「この開き戸を付けたい」を実現するために、生活の仕方を変えたり、できる範囲の我慢をする、という柔軟さが解決の鍵だったりする場面がいくつもありました。
建築中はすごく悩みますが、生活は慣れます。変えられないものを優先してくださいね!